(2020年4月加筆修正)
下のお客様がいらしてから5年が経ち、骨格診断はさらに大流行して、インターネットからもたくさんの情報が得られるようになりました。振り返ってリライトしました。
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パーソナルスタイリストの髙尾香織です。
ここのところ、骨格診断の知識が広まるにつれ、ご自分の骨格タイプを知っているお客様が、個人スタイリングやイベントにいらっしゃることも増えてきました。
◼︎ 骨格診断する人によって判断が分かれてしまったお客様
先日パーソナル骨格診断&コーディネートレッスンをご利用下さったお客様についてのお話です。
そのお客様は、ある方には骨格ウェーブタイプ、別の方にはストレートタイプと診断され、お洋服をどう選んだら良いのか分からないとのお悩みでした。
そこで体型の特徴をじっくり見せて頂いたところ、確かに、ウェーブタイプ的だと思える要素とストレート的要素が混ざり合っている体型です。
これは、診断結果が割れるのも無理はないかも・・・
とはいえ「あなたはウェーブとストレートの混合型です」と言われても、お客様にしてみればどっちの服を選んだらいいのかと混乱しちゃいますよね。
もちろん、どちらのアイテムも同等によく似合う、ということなら問題ないのですが、私の経験上そういう方はおおむね20代まで。30代以降は、骨格体型に合ったお洋服を着た方が素敵に見えるんですね。そもそも骨格診断を自ら受けようと思われる方は、どこか今の自分に違和感を感じて、お洋服選びの新たな指針を求めている方が多いです。
その点このお客様は、この時までに2か所で診断を受けられ、弊社を入れると3回目です。それほどご自分に似合う服を知りたいという思いは切実です。
そこで、ウェーブタイプかストレートタイプか、という二者択一の言い方ではなく、どこがどうミックスタイプなのか、ということをお伝えしました。
このお客様は、上半身がストレート的にしっかりしているのですが、下半身は腰のくびれがくっきりしている点でウェーブに近い体型でした。
その点ををしっかり理解して頂き、ショップクルーズでご案内したお店で実際にミックスタイプ向けコーディネートを試して実感していただきました。
骨格の特徴を高尾さんに紐解いて頂いたことで、本当にスッキリしました!
今まで自分には似合わない、野暮ったいと漠然と感じていたアイテムについて、理由が明確になりました。
骨格を丁寧に見て頂けたので、基本はストレートとしつつも ウェーブのボトムスを合わせることが分かりました。
診断後は雑誌やショップのマネキンの見方が変わり、単にデザインが気に入って飛びつくのではなく自分の骨格に合っているのかを冷静に考えるようになりました。
(S.O.様・30代)
診断を受けられても残った疑問がクリアになって、本当によかったです!
◼︎ 骨格診断ミックスタイプは珍しくない
最近は骨格診断についてメジャーな雑誌でも取り上げられることもあり、診断の目安となる「チェックポイント」も紹介されています。
手首の形状(丸い OR 楕円)、鎖骨や肩甲骨、膝の出方など、ご自分でも判断できそうな診断基準が載っていますので、典型的な◯◯タイプの方は、これで分かることもあります。
けれども、診断基準をどれだけ満たしていればストレートだ、ウェーブだ、とは言い切れない部分が骨格診断にはあるのも確かです。
人間の体型は千差万別ですから、ウェーブ的でありながらストレート的な方もいます。
ストレートとナチュラルのミックスの方もいますし、ナチュラルとウェーブの間のような方もいらっしゃいます。
個性が人の数だけあるからには、骨格タイプをどれだけ細分化しても、全ての方にとって完璧な診断はできないと私は思っています。
◼︎ 骨格診断の判断が割れ、わからない時の対処法
お洋服選びに迷って診断を受けられる方に知っていただきたいのは、「ミックスタイプ」はそれほど珍しいケースではないということ。
もし「○○タイプと△△のミックスです」と診断されてしまった方にとっては、チェックポイントを機械的に見ているだけではもやもやは解消されません。
そこで
- どういう点が○○でどういう点が△△なのか?
診断してくださる方に踏み込んで聞いてみてください。
(経験豊富な診断のプロでしたら、尋ねなくても教えてくれるかもしれませんが)
2か所以上で診断を受けて、違うタイプと言われた時にも
- どういう点でそのタイプと判断されたのか?
を尋ねてみてくださいね。
上のお客様のように、ウェーブとストレート両方の要素がある方だとしたら、その方のどういう点がウェーブで、どの点がストレートなのか、その部分がどこかによって、お洋服選びで気をつけるポイントがわかります。
これが上半身・下半身が逆なら、同じウェーブとストレートのミックスタイプと言っても、お洋服の選び方も反対になります。
このように、診断を受ける側にとって一番大事な情報は、どのタイプか、という結論ではなくて、ご自分の体型の特徴を正しく把握することなんです。
「自分ってどんな体をしているから、こんな服が似合うんだ」というところが理解できないままでタイプを知っても意味があまりなかったりします。
その質問に的確に答えられるためには、診断をする側が、チェックポイントの根拠となる根本の考え方をよく分かった上でお客様の体型を見ていることだと思います。
◼︎ 骨格診断の本当の目的:似合う服を着る
私が骨格診断やパーソナルカラー診断を行う目的は
正しい診断結果を出すこと ではなく その方に一番似合うお洋服を着て頂くこと
もちろん、似合うものを一通り知ったうえで
「ベストとは言えないけれど好きなものは好きだから着ちゃう!」
という選択はOKなんです。お客様のそのご意思は積極的にサポートさせて頂くのがパーソナルスタイリストの真骨頂だと感じています。
私自身、好きなファッションやスタイルは、似合わなくても、多少評判が悪くても(笑)止めません。
似合わない部分をカバーするテクニックは駆使しつつ、ですが。
けれども「似合う」を知った上で敢えて着る「好き」と、分からないままで着ている「好き」はちがっていると思います。
特に40代以降の大人の「素敵」には、そうして自分を客観視できているかどうかが、とても大切なポイントだと感じています。
診断結果が割れたという今回のお客様ですが、基本ストレート体型でありながら
ウェーブのボトムスもOKと分かったことで着られるお洋服の選択肢は広がった部分もあります。
これは、じっくり体型を拝見して分析したり、実際にお洋服を着替えてもらいながら、本当に似合うスタイルに納得しながら近づいていける個人レッスンのメリットなんです。
今回のことで、骨格タイプを一つに決めてしまうことでかえって似合う服にたどりつけなくなってしまう方もいらっしゃるのだ、と教えられました。
どのタイプの骨格体型にもそれぞれ違った魅力と強みがあります。ファッション系診断が花盛りの今、皆さんが装いをもっと楽しめるツールにできたら、と願っております。
S.O.様がご利用くださったメニューはこちらです。
パーソナル骨格診断&コーディネートレッスン
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