パーソナルスタイリストの髙尾香織です。
前回の記事【バウリニューアル・フォーマル編】に引き続き、カジュアル編の写真と撮影レポートをお届けします。
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バウリニューアル(Vow Renewal)とは、文字通り「誓いの更新」を意味する言葉です。
長い歳月を共に歩んできたカップルが、改めて愛を誓い合うセレモニーのことを指します。
スタイルはさまざまで、チャペルやホテルでゲストを招き、ドレスやタキシードで行う本格的な形式もあれば、家族との食事会の中で静かに行うもの、あるいはサプライズとして企画されることもあります。
バウリニューアルは、単に挙式をもう一度行うというものではなく、これまでの歩みに感謝を込め、ふたりの絆を見つめ直し、新たな誓いを交わす時間です。
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この誓いのセレモニーを、写真という形で表現するのが弊社のバウリニューアルプランです。
ゲストを招くイベント型のセレモニーではなく、自分たちらしい誓いのスタイルを、もっと自由に、もっと静かに、写真として表現できるのが、この企画の魅力です。
結婚の節目や周年記念、あるいはおふたりの大切な日を「イベント」ではなく「写真」というかたちで残す、そんな新しい選択肢をご提案しています。
大人カップルの記念写真、フォーマルとカジュアルの違い
フォーマルな服には、ある程度の「正解」があります。男性ならスーツ、女性ならドレス——そんなイメージを持つ方も多いでしょう。実際、貸衣装での記念撮影では、そうしたフォーマルウェアがよく用意されています。
一方でカジュアルは、服の数だけ無数の選択肢があります。素顔の二人を表すような普段着で、お気に入りの服を着る。還暦なら赤をテーマカラーにする。そんな決め方も素敵ですよね。
ただ、大人のカジュアルは「手を抜いた印象」になると途端に残念に見えてしまうんです。
記念写真として成立させるためには「映える」カジュアルであることが不可欠です。だからこそ私は、カジュアル撮影にこそスタイリングが重要だと考えています。
カジュアルスタイルこそ、スタイリングが必要な理由
フォーマルは型がある分、大きく外すことは少ないです。一方、カジュアルは自由度が高い分、何を選び、何を組み合わせ、何を省くかで仕上がりが大きく変わります。

たとえば今回の撮影で、夫はGジャンタイプのアウターにカジュアルシャツを重ね、ボタンを首元まできちんと留めたスタイルにしました。アイテム数は少なく、一見シンプルに見えると思います。
でもこれは、手を抜いたシンプルではなくて意図的な引き算なんです。
夫側を抑えることで、二人が並んだときに私のスタイルが引き立つバランスを意図しています。カップルの撮影は、個人のスタイリングとは違って「二人が並んだときにどう見えるか」という視点が必要になるんですよね。
私の方は、バイカラーの半袖カーディガンに、デニムの上からレースのオーバースカートを重ねました。星のモチーフのチョーカー、存在感のあるパールのイヤリングも加えて、細部まで詰めています。夫がシンプルな分、やや盛り気味にして、夫婦としてのバランスをとりました。
笑っていないこの感じも、自分たちらしさを表していると感じています。
お気に入りの服や思い入れのあるアイテムを活かすことも
フォーマル撮影は「特別な装い」として新調したりレンタルすることが多いですが、カジュアルなら「今の自分たちの延長」として、すでに持っている服や思い入れのあるアイテムを軸にすることもできます。
思い出のある服、お気に入りのアクセサリー、二人の記念に買ったもの——そうしたアイテムをただ着けて撮るのではなく、記念写真として映える完成度の高いスタイルに仕上げる。それもこのサービスならではの価値だと思っています。
熱唱する二人ーー自分たちらしさを表現する
今回のカジュアル撮影では、もう一つ挑戦したことがあります。
私たち夫婦は、それぞれの仕事も生き方も、どこか既存の型に収まりきらないところがあります。かといって、奇抜なファッションで「個性的すぎる二人」を演じるのも違う。普通っぽい服でありながら、その奥にある「ちょっと尖った部分」を表したい。そう考えていたときに目に入ったのが、令和ロマンがマイクを奪い合うように熱唱する写真でした。全力でふざけるその姿にピンときました。
実際、私はお笑いが大好きで(ヤーレンズを推しています)、夫は家では四六時中ふざけている——外からは想像もつかないほどに。だからこそ「熱唱する二人」は、私たちの「らしさ」をそのまま写し取った一枚になりました。
写真家の齋藤さんに「こういう写真が撮れますか」と相談したところ、即座に返ってきた答えは「キーが高すぎて届かない歌を歌っているイメージで」。
そして撮影当日。スタジオに入ってすぐにその「高くて歌えない歌」を尋ねられ、私が答えたのは「炎」(※映画『鬼滅の刃 無限列車編』の主題歌)。その瞬間からスタジオにはエンドレスで「炎」が流れ、必死で歌いながらの撮影が始まりました。これはきっと一番音程の高いサビを歌っている瞬間です。

現場には齋藤さんだけでなく、歌う私たちを見守るスタッフさんたちがいて、とりわけ夫を熱心に応援してくれるアシスタントさん(夫担当?)の存在が大きく、緊張していた私たちを温かな空気で包んでくれました。その雰囲気はいまでも鮮明に思い出せます。
前回の【フォーマル編】で撮影した5枚の写真も含めて、この熱唱写真が「一番好き」と言ってくださる方が多い一枚です。私自身にとっても、とても気に入っている写真になりました。
バウリニューアル撮影で叶える、二人らしい記念写真
歌いながらの撮影、深夜の中華街でのロケ、フルオーダーのスーツ制作——これまで経験したことのない新しい試みが詰まったバウリニューアル撮影でした。数ヶ月前からの準備、当日の緊張感と盛り上がり、仕上がった写真と対面したときの喜び、そして振り返って味わう時間。そのすべてのプロセスが、欠けがえのない思い出となりました。
フォーマルとはまた違う角度から、自分たちらしい一面を形にできたのが、このカジュアル編です。自由度の高い装いだからこそ、自分たちの内面をどう映し出すか、その過程に力を注いだ時間もまた、大切な思い出になっています。
これからバウ撮影を検討されるお客様にも、この素晴らしい時間を体験していただけることを、心から願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。

※今回の撮影はモデルケースとして、フォーマル/カジュアル両スタイル、ロケーション撮影を含めて実施しましたが、実際のバウリニューアルプランでは「おひと組につき、特別な一枚を撮る」という形でご提案しています。
バウリニューアル撮影についてもっと詳しくお知りになりたい方は、
こちらのページでコンセプトとご利用の流れをご紹介しています。


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