大人カップルの記念写真「バウリニューアル」事例ご紹介/ Nご夫妻様

パーソナルスタイリストの髙尾香織です。

今日は、現在準備中の新企画「バウリニューアル フォトプラン」のお客様事例をご紹介させていただきます。

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バウリニューアル(Vow Renewal)は直訳すると「誓いの更新」という意味の言葉です。共に年月を重ねたカップルが、改めて愛の誓いを交わすセレモニー。

チャペルやホテルでゲストを招き、ドレスにタキシードを着用して、と通常の結婚式のように行うこともあれば、少人数の食事会の形式、またご家族の主導でサプライズとして等、スタイルは様々です。バウリニューアルの趣旨は、挙式をもう一度ということではなく、共に歩んだ年月を振り返って感謝を伝え、誓いを新たにするものです。

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その誓いのセレモニーを写真の形で行うのがこの企画です。
ちょうど、これから結婚するカップルが結婚式や披露宴の代わりにフォトウェディングを選ぶように、結婚の周年記念やお二人の大切な記念日に、イベントではなく写真でのバウリニューアルというのも素敵だな、と考えていたところ、弊社のお客様であるN様よりやってみたいとご依頼をいただきました。

ご依頼いただいた2年前は、バウリニューアルは独立したメニューとしてのご用意はなかったのですが、撮影用の衣装をスタイリングして、カメラマンとヘアメイクさんの手配をしスタジオでの写真撮影に同行するという流れは経験がありましたので、二つ返事でやらせていただくことにしました。

というわけで弊社のバウリニューアル第一号、Nご夫妻のご紹介です。

Nご夫妻のバウリニューアル準備:イメージ作りとスタイリング

N様は50代と60代のカップルです。入籍時に式を挙げず、フォトウェディングもせずに20余年連れ添ってこられました。弊社クライアントの奥様が「大人女子部」で写真撮影の良さを知ってくださり、今回の依頼となりました。

バウリニューアルには通常の結婚写真のような決まった形がありません。タキシードの花婿とロングドレスの花嫁といった型を踏襲してもいいし、全く違った衣装でオリジナリティある写真を撮ることもできます。N様に伺うととても面白い要望を出してくれました。本人曰く「とんでもなく図々しいオーダー」だそうですが、どんな要望だったかというと・・・

  • 夫はジェイソン・ステイサム風(禿げてる男性の中で一番かっこいい)
  • 私はケイト・ブランシェット風(カッコよくて美しくて、独特の色気が大好き。あんな女性になりたい)
  • 二人を『華麗なるギャッツビー』ぽく撮ってほしい
  • 上とは別に、カジュアルなスタイルで自然体の二人も撮りたい

お聞きした時に、私はぶっ飛んだ要求とは全く思わず、むしろ、素敵なNご夫妻の雰囲気に違和感なく馴染むイメージだと感じました。

7月に初めてのミーティングで写真家の齋藤久夫さんと顔合わせ。撮影に関してのあれこれや準備についてお話し、撮影日は11月に決定しました。

その後日程を合わせて、撮影用衣装のスタイリングを開始。ギャッツビーのイメージならば、クールなスーツとゴージャスなドレスが要りますね。

ということで、まずご主人様はテイラーさんにご案内してスリーピースのスーツをオーダーしました。

カジュアルスタイル用には、既製のシャツとパンツ、首に巻くスカーフもショッピングでおすすめしてご購入になりました。

奥様のドレスは既製品で探す方針にし、さらに別日程でドレスショップにご案内。正直いって、大人が着て素敵!と思えるドレスの選択肢は、若い世代よりもかなり狭くなります。50代や60代はドレスアップする機会はグッと減るので仕方のないことかもしれませんね。下の2着は次点となったドレスのフィッティング時です。

素敵にお召しになれてますが何か決定打が欲しいな、と思いながら行ってみた別のドレスショップで出会えました。上品でゴージャスな、今の年代だからこそ着こなせる素敵な一着です。(実物は後半に☆)アクセサリーなど小物類は、後日のやりとりで、おすすめのものを通販で購入してもらったり、お手持ちの品から使えるものがないか探していただりして、衣装の準備が完了。

バウリニューアル夫婦写真のご紹介:(1)カジュアルスタイル

撮影本番は、狙ったわけではないにもかかわらず11月22日「いい夫婦」の日でした。偶然にしては出来過ぎで、これだけでも何やらミラクルめいたものを感じていた私ですが・・・想像以上に奇跡的な一日に素晴らしい写真が撮れました。

まず最初に、カジュアルスタイルのご主人からご覧ください。

ウェスタンのデザインできれい目に作られたデニムシャツに白パンツのシンプルなコーディネートです。スリムボディゆえに首元が寂しく見えてしまうのをカバーするため、スカーフをおすすめしました。スカーフを普段から使う男性ってファッション通に見えて気恥ずかしいかもですが、写真撮影ならガマンできますよね?(笑)実際に、これがあるか無いかでは大違いです。

次に、奥様のご希望で撮影された、旦那様の「笑顔の一枚」。

なかなか笑顔を見せないクールなご主人様だそうですが、この顔、この角度、微笑みのナチュラルなカッコよさ。

そして、トップ画像の並びでのツーショット。下は少しポーズを変えたバージョンです。

この時のカメラマンさんが「若い二人とちがって年輪を重ねたカップルは少し距離がある方がかっこいい」という様なことをおっしゃったのが目から鱗でした。

「それぞれの世界を持って生きているけれど、これからも二人で生きていくと決めている」

そんな関係性、距離感だそうです。側で拝見しながら、まさしく、これがバウニューアルの真髄ではないか!?と、凄く感動しました。

ラブラブな密着感のある一枚もしっかり撮っていただきましたよ。

シンプルな普段着の二人。旦那様の、笑っているのかいないのか?という表情がリアルで、大人のチャーミングさが素敵だなぁ♡

バウリニューアル夫婦写真のご紹介:(2)テーマ『華麗なるギャッツビー』

お次はドレスアップの「グレートギャッツビー」。お二人それぞれのピンでのポートレートからご覧ください。

まずはご主人様、ジャーン!

よく見ていただくとスーツは織柄が一面に入った個性的な生地でできています。それが浮かび上がるライティングで、かっこよさが際立ちますね。ご希望のジェイソン風に近づくよう、ネクタイやシャツ、ラペルを細めにしたシャープなスーツもモノトーンコーデの旦那様は、渋くてクールな非の打ちようのないイケオジです。

人種が違っても同じムードが出せることに驚きです。

一方、奥様はケイト・ブランシェットの写真をイメージとして出してくれていました。

和製ケイトはどうなったかというと・・・・

う、美しひ・・・!こちらも衣装もルックスも違うのにケイト・ブランシェットのしなやかさ、強さ、色香が乗り移ったようです。というよりも、そういうケイトの要素をご自分の魅力として体現されています。本当に素敵、綺麗という言葉では足りないほどの出来上がり。

カラー版もあります。

カラーにするとまた違ったニュアンスの魅力が〜・・・綺麗、綺麗、美しい、やばい(語彙力 笑)

もうスタイリングの解説は不要なほどの画の説得力ですが、ドレスはイエローベース(秋タイプ)の奥様が上品に華やかに引き立つサーモンピンクです。刺繍の部分にゴールドの糸がふんだんに使われております。クラシカルな雰囲気にしたいので4連パールのチョーカータイプをおすすめしました。トップについたバロック風の歪なパールが、骨格ナチュラルタイプにぴったり。

このドレスはバックスタイルも素敵です。それを生かすポーズというので写真家さんが提案してくれた一枚がこちら。

クールなご主人を引き立てながら、決して脇役ではない存在感の奥様ブラボー!

最後はギャッツビーの世界観が見事に現れたカットをどうぞ。

モノクロ版もあります。

少し伏目の奥様の表情がこれまた魅惑的ですね。二人とも笑顔でないところが大人。見事な2カットでした。

グレートギャッツビーという映画を真似るというやり方はコスプレと似ているようですが、他の誰かになりきったのではなく、お二人の個性と魅力が全面に出た、オリジナリティ抜群の仕上がりになっているのが素晴らしいです。

以上、豪華11カットのご紹介でした。

私はこんなにかっこよくて大人の魅力満点の、リアルなご夫婦のアニバーサリーフォトは見たことがありません。熟年夫婦の記念写真を、還暦や金婚式という節目に撮った事例はウェブ検索すると色々と見られますが、この2人は唯一無二ではないかと思うのです。

また、若い頃に着る初々しいウェディングドレスやタキシードとも違う良さがあります。年齢を重ねて似合うものを知り、自分の価値観・スタイルを作り上げてきたお二人。年月をかけて洗練されたその人らしさと、ご夫婦の素敵な在り様が、そのまま写真で最高の形になっており、感激と興奮が止みませんでした。

N様のバウリニューアル撮影現場に立ち会わせていただいたことで、大人世代こそ凄いポテンシャルを持っていると感じられたのも、この上ない収穫でした。

最後に今回の企画の火付け役である奥様からいただいたご感想をご紹介します。

私ら一般ピープルの為に真剣に撮影に挑んで下さったプロ集団!!

旦那のスーツもドレスもチーフやネックレスの小物も全部、カオリーヌがコーディネイトしてくれて、すっごく素敵。

なんで頑張りました!
(旦那も「俺、結構頑張った」と終わった後に言っていたのが笑えるww)

メイクの後藤さんも事前にケイトやギャツビーをチェックして下さって、ケイトのスチール写真を見せてくれながら「こんな感じのメイクで」って。もぉ、泣くしかないでしょう???

齋藤さんもギャッツビーに出てきそうな重厚なソファをホテルのロビーから事前に拝借して下さっていたり、本気で私たちをソレ風に仕立てて下さったんですよ。

なんというか、「喜び」とか「愛」とかそういうのを感じるんです。

写真データが最終成果物ではあるのですが、撮影体験自体がビッグプレゼント!でした。

最後にKps 齋藤久夫さんの理念をご紹介。

「写真を撮るということは、誰かの人生と交わること。私たちはその一枚が世代を超えて受け継がれていく覚悟を持ち、幸せを願って撮影に挑むプロフェッショナルである」

今回の体験と写真は我が家の宝物です。

宝物とまで言っていただけて、私も心からやってよかったと喜びに包まれました。

おっしゃる通り、こんな素晴らしい写真が生まれたのは、N様のご希望のイメージを本気で叶えるべく全力を尽してくれる写真家さん、メイクさん、アシスタントさんというチームがあってこそ。そのチームの撮影に「愛」を感じたというN様。私も現場にいたのでその感覚は共有できます。じっくり考えながら準備をする数ヶ月と撮影当日のメイキングのプロセスそのものが、一種の癒しであり愛・・・大袈裟でなくそう感じるバウリニューアル体験でした。

N様はその後2年ますます魅力的な50代に進化しておられます。

バウリニューアルは4月にはメニューとしてリリースする予定です。その前に第2号のバウ撮影レポートがありますので、楽しみにしていただければと思います。

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著者紹介

髙尾香織ポートレート

パーソナルスタイリスト 髙尾香織



東京都内で買い物同行、骨格診断やパーソナルカラー診断を取り入れたコーディネートの個人レッスン、ビジネスパーソンのためのイメージコンサルティングなどのサービスをしています。

「自分で自分を素敵にできる人」を増やすため、おしゃれのベースにあるロジックを分かりやすく実戦的にお伝えしていきます。


プロフィール詳細は【こちら】からどうぞ

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